
ネットショップで多い悩みのひとつが「カゴ落ち」です。
せっかく商品を入れても購入されずに離脱されてしまう原因には、送料などの追加コストや手続きのわずらわしさ、支払い総額が分かりにくいことなどがあります。
この記事では、カゴ落ちが起こる代表的な理由と、日々の運営にすぐ役立てられる対策を具体的にご紹介します。
カゴ落ちを理解して防止! 目次
カゴ落ちとは?押さえておきたい基本ポイント
ネットショップでは、商品をカートに入れたまま購入に至らない「カゴ落ち」が必ず発生します。
各調査では平均で7割前後の割合で発生するとされており、売上の大きな機会損失につながる数字です。カゴ落ちはユーザーの購買意欲がゼロというより、ちょっとした不安や不便が原因で離脱してしまうケースがほとんどです。
ここでは、まず「カゴ落ち」という現象の意味と、なぜ改善が必要なのかを整理していきます。
1.カゴ落ちの意味
カゴ落ちとは、
『ユーザーが商品をカートに入れたにもかかわらず、購入を完了せずに離脱してしまう状態』
を指します。ECサイト特有の現象であり、最も大きな機会損失の一つです。
2.カゴ落ちと直帰率の違い
直帰率は、ユーザーが最初に訪れたページだけを見てサイトを離脱した割合を示します。
カゴ落ちとは異なり、商品をカートに入れる行動が発生していない段階の指標です。
3.カゴ落ち改善が重要な理由
カゴ落ちはユーザーの購入意欲がある段階で発生するため、改善できれば売上に直結します。
広告やSEOで集客しても、購入プロセスで離脱されれば投資効果は半減してしまいます。原因を特定し、適切な対策を講じることが安定した収益につながります。
◆「カゴ落ち」に関する調査データ
デンマークに拠点を置きECサイトのリサーチを行っているBaymard Institute。
カゴ落ちに関するデータを集計した結果、Cart Aboundonment(カート離脱・カート落ち)の平均離脱率は69.82%と公表しています。

カゴ落ちが起きる主な5つの要因
カゴ落ちは偶然ではなく、ユーザーにとって明確な「買わない理由」がある場合に起こります。
送料などの追加コストや、アカウント作成の手間、購入フローの複雑さといった要因が代表的です。
ここからは、カゴ落ちを招く主な原因を5つに分けて整理し、それぞれの背景にあるユーザー心理を解説します。
1.追加コストの高さ

商品価格に加えて送料や手数料が表示されると、想定より高額になり購入をやめるケースが多くあります。
特にカート画面や決済直前で突然加算される形は離脱を招きやすい要因です。
2.アカウント作成の強制

購入前に会員登録を求められると、入力作業の負担から離脱するユーザーが少なくありません。
ゲスト購入ができない仕様は新規顧客にとって大きなハードルとなります。
3.購入手続きが複雑

入力項目が多すぎたり、決済までのページ遷移が多いと、手続きの面倒さから離脱が発生します。
スマートフォン利用者ほど入力負荷に敏感です。
4.支払い総額の不透明さ

税金や送料、割引後の価格が分かりにくいと、ユーザーは不安を感じ購入を中止します。
最終的な支払い金額が明確に表示されないことは大きな障壁です。
5.検討段階で購入しない

購入の意思はあるものの、まだ比較検討中の段階で一時的に離脱するケースもあります。
この場合は「検討の後押し」が不足しているといえます。
カゴ落ちの要因・原因ごとの対策
カゴ落ちの原因は一見バラバラですが、それぞれに対応する施策があります。
ここでは主要な原因5つに対して背景と問題点、ポップアップを使った効果的な対策を整理します。
1.追加コストの高さへの対策
◆背景と問題点
商品価格に加えて送料や手数料が上乗せされると、ユーザーは「思ったより高い」と感じて購入をやめがちです。
特にカートや決済直前で金額が跳ね上がるケースは、離脱の大きな原因になります。
対策
価格に対する心理的な抵抗を和らげるために、送料無料クーポンや「◯円以上で送料無料」の条件を提示します。
表示のタイミングはカート滞在中や離脱直前が効果的です。
対策の例
「5000円以上で送料無料」と設定したことで、ユーザーが追加で商品を選びやすくなり、カート放棄が減るケースがあります。
2.アカウント作成の強制への対策
◆背景と問題点
購入前に会員登録を求められると、入力作業の負担が大きく「面倒」と感じて離脱するユーザーが増えます。
対策
ゲスト購入を許可し、会員登録は購入後に任意で案内するのが有効です。
「会員登録なしで購入できます」と伝えるだけでも離脱防止につながります。
対策の例
ゲスト購入を選べるようにしたことで、初回購入に進むユーザーが増え、結果的に会員登録につながるケースがあります。
3.購入手続きが複雑な場合の対策
◆背景と問題点
入力項目が多すぎたりページ遷移が多いと、カゴ落ち離脱が増加します。
特にスマートフォン利用者は、負担を感じて途中で離脱してしまいます。
対策
入力項目を減らし、オートフィルやワンページチェックアウトを導入することが大切です。
「最短1分で完了」と案内するポップアップを使うのも効果的です。
対策の例
住所自動補完やクレジットカード情報の保存機能を導入するだけで、入力ストレスが減り完了率が改善するケースがあります。
4.支払い総額の不透明さへの対策
◆背景と問題点
送料や税金、割引後の金額が途中まで分からないとユーザーは不安を感じやすく、購入を中止してしまいます。
対策
カート画面で「送料・税金込みの総額」や「割引後の合計」を明示することで、不安を解消できます。
「合計◯◯円で購入可能」とポップアップで示せば安心感を与えられます。
対策の例
注文確認画面で送料と割引がすべて反映された最終金額を表示することで、安心して購入を完了するユーザーが増えるケースがあります。
5.検討段階で購入しない場合の対策
◆背景と問題点
比較検討中のユーザーは「今すぐ買う理由」がないため、一度サイトを離れる傾向があります。
対策
クーポンルーレットやタイムセールで「今買うメリット」を示すと効果的です。
メールやLINE登録を促して再訪を後押しすることも有効です。
対策の例
「本日限定10%オフ」や「メール登録で次回使えるクーポン進呈」を提示することで、購入や再訪につながるケースがあります。

【クーポンルーレット設定に役立つ記事】
クーポンルーレット完全ガイド
クーポンルーレットは、ゲーム感覚で割引や特典を提示するゲーミフィケーション施策。仕組みから実装方法、成功事例、成果を最大化するコツをご紹介。

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カゴ落ち理由と対策一覧
追加コストが高い
ユーザー心理
想定より支払い額を
高く感じて不安
ポップアップ
送料無料クーポン
表示タイミング
・滞在30秒
・離脱直前
オファー
「今だけ送料無料」
「あと〇〇円で
送料無料」
アカウント作成の強制
ユーザー心理
入力が面倒
離脱したい
ポップアップ
ゲスト購入案内
表示タイミング
チェックアウト開始時
オファー
「会員登録なしで
購入できます」
手続きが複雑
ユーザー心理
入力項目が多すぎて
ストレス
ポップアップ
シンプル購入訴求
表示タイミング
チェックアウト
画面到達時
オファー
「最短1分で購入完了」
支払い総額が不透明
ユーザー心理
最終金額が
分からず不安
ポップアップ
総額明示
ポップアップ
表示タイミング
カート投入直後
オファー
「割引適用後の合計◯◯円で購入可能」
検討段階での購入回避
ユーザー心理
買う理由が弱い
ポップアップ
クーポンルーレット
タイムセール
表示タイミング
・滞在60秒
・任意ページ閲覧
オファー
「本日限定10%オフ」
「次回使えるクーポン」
離脱防止・カゴ落ち防止の成功率に大きく影響するポップアップ上の文言。離脱防止ポップアップ例文50選は、以下のリンクから。

【離脱防止に役立つ記事】
離脱防止ポップアップ例文50選|今すぐ使える文言と表示のポイント
この記事では、思わず足を止めてしまう離脱防止コピー50選を厳選。不安を一言で解消し、購入意欲を後押しする文言例とコツまで一気に紹介します。

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カゴ落ちは「今すぐ」減らせる。即効ポップアップ対策を導入する!
カゴ落ちは自然現象ではなく、具体的な原因に対策を打てば必ず改善できます。
ポイントは、「ユーザーが抱えた問題を解決する」ということ。
送料や手続きの複雑さといった課題は、ポップアップを使ったシンプルな施策で「今日から」解決可能です。すでに多くのECサイトが導入して、大きな成果を上げています。
特別な準備や大規模な開発は不要で、登録1分・無料プランから活用可能。
カゴ落ち離脱しているユーザーを「売上」に変えるために、まずは即効性の高いポップアップ対策から始めてみませんか?
カゴ落ち対策 効果を最大化するポップアップ設計
ポップアップは単に設置するだけでは効果を発揮しません。表示タイミングや頻度、モバイル対応などの設計を工夫することで、ユーザー体験を損なわずに成果を高められます。
ここでは、ポップアップ運用で押さえておきたい基本のポイントを整理します。
1.表示タイミングの設計
ポップアップは表示のタイミング次第で成果が大きく変わります。
早すぎると邪魔に感じられ、遅すぎると効果が薄れます。基本は「ユーザーが行動を起こした直後」や「離脱しそうな瞬間」に合わせるのが鉄則です。
【具体的な例】
・カートページ滞在30秒以上
→「今なら送料無料」のポップアップを表示
・チェックアウトで入力が止まった時(無操作時間)
→「最短1分で完了できます」と案内
マウスがブラウザ外に移動(離脱行動検知)
→「このままではカゴ落ちに!10%オフクーポンを進呈」
2.表示頻度の制御と除外条件
ポップアップは効果的ですが、出し過ぎると逆にユーザー体験を損ない、サイトからの離脱を招きます。
そのため「どのくらいの頻度で表示するか」「誰に表示するか」をコントロールすることが重要です。
【具体的な例】
・同一ユーザーへの表示は1セッション1回まで
→ 何度も表示される煩わしさを防止
・購入済みユーザーには表示しない
→ 不要な訴求を避け、顧客満足度を維持
・一定期間内は再表示しない
→ 例:1週間以内に再訪した場合は非表示
・会員ユーザーは除外
→ ゲスト向け限定オファーとして活用
3.モバイルユーザーへの工夫
PCと違い、モバイルではマウスの動きを検知できないなどの違いがあります。
戻るボタン押下・タブ切り替えなど、モバイル特有の行動をトリガーに置き換えることで、ユーザーの離脱前に適切にアプローチできます。
【具体的な例】
・スクロール率が80%に達したとき
→「あと少しで送料無料!」と提示
ブラウザの戻るボタンをタップしたとき
→「このままではカゴ落ちに。今なら10%オフクーポン」
一定時間操作がない場合(例:40秒)
→「購入手続きで不明点があればサポートへ」と案内

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4.ユーザー体験と同意を守る
ポップアップは強力な施策ですが、使い方を誤ると「邪魔」「信用できない」といった逆効果を招きます。
特にプライバシーや同意に配慮しながら、ストレスを与えない設計が欠かせません。
【具体的な例】
・同意管理と両立
→クッキー同意バナーと重ならないよう、表示位置やタイミングを調整
・閉じる導線を明確に
→右上に✕ボタンを置き、ユーザーが簡単に閉じられるようにする
・メリットを先に伝える
→「今だけ送料無料」「会員登録なしで購入OK」など、ユーザーに価値がある情報を冒頭に提示
5.ABテストによる効果測定
ポップアップ施策は、実際のユーザー行動を基に改善していくことが重要です。そのために有効なのがA/Bテストです。
文言やデザイン、表示タイミングなどを比較検証することで、どの要素が成果に直結しているのかを明らかにできます。
【具体的な例】
・ポップアップ上の文言
→「A 今なら送料無料」vs 「B 本日限定 送料0円」
・ポップアップのオファー
→「A 10%OFF」vs「B 500円OFF」
・ポップアップの表示タイミング
→「Aカート滞在20秒」vs 「B 決済直前」
◆ABテストの成果を見る指標
A/Bテストでは、どの数値を基準に成果を判断するかをあらかじめ決めておくことが重要です。
ポップアップの場合、単純なクリック率だけでなく、その後の行動にどれだけつながったかを見る必要があります。
【具体的な例】
・CTR(クリック率)
→ポップアップがどれだけ注目を集めたか
・登録率
→メールやLINE登録につながった割合
・購入完了率
→クーポン使用後に購入まで至った割合
・売上インパクト
→平均注文額や全体の売上への影響

【ABテストが分かる記事】
ABテストの基礎知識とテスト事例
「ABテスト」はCROに向けて異なった複数のアイデアがある場合、その中から最も効果的なアイデアを選び出すのに優れた効果を発揮します。

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カゴ落ち対策に関するFAQ
カゴ落ち対策にポップアップは本当に効果がありますか?
はい、効果があります。特に離脱直前のユーザーにクーポンや送料無料を提示することで、平均して数%〜十数%の購入率改善が報告されています。単なる表示ではなく「適切なタイミング」と「ユーザーに価値ある提案」がポイントです。
離脱行動検知はポップアップはスマホでも使えますか?
スマホではマウスの動きは検知できませんが、戻るボタン押下やタブ移動などで離脱行動の検知が可能です。またスクロール率トリガーや無操作時間といったトリガーも効果的です。
ポップアップを出しすぎると逆効果になりませんか?
はい、出しすぎは離脱の原因になります。ベストプラクティスは「同一セッション1回まで」「購入済みや会員ユーザーは除外」といった頻度制御です。これにより嫌われず、必要な場面でのみ効果を発揮できます。
クーポンを乱発すると顧客が値引き待ちになりませんか?
リスクはあります。そのため「特定条件を満たしたときのみ配布(例:5000円以上購入で送料無料)」や「ワンタイムコードの利用」でコントロールするのが有効です。安売りでなく「特典」として設計するのがポイントです。
A/Bテストはどのくらいの期間やるべきですか?
最低でも2週間から1か月程度はデータを集める必要があります。短期間やデータの少なさがあると結果に偏りが出やすく、正確な判断ができません。検証は「文言」「オファー」「表示タイミング」など1要素に絞るのが成功のコツです。
ポップアップ施策でカゴ落ちを防ぐ
カゴ落ちはECサイトにとって避けられない課題。
しかしながら、原因を正しく理解し、適切なポップアップ対策を導入すれば改善できます。送料やアカウント作成といった小さなハードルを取り除くだけで、多くのユーザーが購入に進むようになります。
また、今日から実施できる対策はシンプルです。ポップアップツール・Promolayerなら、送料無料・インセンティブ・離脱行動を検知して表示する等、自由度の高いポップアップ設計が可能です。
まずは小さな一歩から始めてみてください。改善は必ず数字に表れ、売上につながります。