
『ポップアップを設置してもなかなか成果が上がらない・・・』という経験はありませんか?
ユーザーが思わずクリックしてしまうようなクリック率の上がるポップアップには、共通する“心理的な仕掛け”があります。どれだけ目立つデザインでも、心理を無視したポップアップでは効果は期待できません。逆に、心理を考慮したポップアップなら少しの変更で成果が変わってきます。
この記事では、クリック率を高めるためのユーザー心理や、効果的にCVR改善につなげるためのコツをご紹介します。Webマーケティングや離脱防止に悩む方は、ぜひ参考にしてください。
人間の心理を突くポップアップ
ポップアップの効果が見出された背景
ユーザーによって活用されたり、また嫌われもしてきたポップアップ。長い時間をかけて一般に浸透してきたポップアップですが、その背後には深い心理学的メカニズムが働いています。
ポップアップがどのようにしてユーザーの注意を引きつけるのか、そしてその経緯と背景についてみて行きましょう。
ポップアップの歴史と発展
インターネット黎明期、ポップアップはユーザーにシンプルな広告や警告を通知するツールとして登場しました。時間の経過とともに、デザイナーやマーケターはポップアップに活用の可能性を見出し、洗礼されたポップアップはCVRやクリック率、ユーザーエンゲージメント率を向上させるツールとして発展を続けてきました。
ポップアップがマーケティングツールとして確立
現代のポップアップは商品の販売促進やニュースレターの購読促進、また限定オファーを提示するため、さらにはユーザーの行動や興味に基づいてカスタマイズされた内容を提供するために使用されます。
これにより、ポップアップは単なる通知から、強力なマーケティング手法としての地位を確立してきました。
CVRを左右する!ポップアップとユーザー心理
インターネット産業に関わる人々が見出したポップアップへの可能性。そこには、ポップアップが人間の心理にもたらす効果が大きく関わります。
心理を刺激。驚くほど効果的なポップアップ

ポップアップがパソコン画面に突如として現れることは、人間心理の驚きや好奇心を刺激します。
この突然起こる画面上の変化や得られる新しい情報は人間の脳にアラートを発し、無意識的に注意を向けさせると言われています。
注目され、同時に無視されるポップアップ

一方、あまりに頻繁に表示されるポップアップや、ユーザーとは関連性のない内容を表示するポップアップは、ユーザーにとってサイト閲覧の邪魔になる可能性があります。
これにより、多くの人がポップアップに気疲れしてしまう現象が起こります。そしてユーザーはこれらポップアップの通知を無視するようになり、当初の目的とは逆効果になってしまいます。この「注目」と「無視」の境界線は、ポップアップのデザインやタイミング、そして提供される内容によって大きく変化します。


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ポップアップをクリックする理由とは
前項でご紹介した通り、ウェブサイトやアプリ上のポップアップに対するユーザーの反応は、多くの心理的要因に影響されます。なぜ一部のポップアップは即座にクリックされるにもかかわらず、一方で他のものは無視されるのでしょうか?
ユーザーがポップアップをクリックする背後にある主な心理的要因をさらに掘り下げてみましょう。
人間の好奇心が持つ力

人間は自分にとって未知のものや情報に対して、自然と好奇心を抱きます。
新しい情報や知識を得ることで、人間の脳は「報酬」を感じると言われています。
ポップアップが提供する新規オファーや新しい情報は、この人間の好奇心を刺激し、ユーザーをCTAのクリックへと駆り立てます。
また、好奇心を土台とした「知りたい」という欲求は、すでに所持している情報と欲しい情報との間に「ギャップ」がある時に最も強まります。
効果的なポップアップは、このギャップを強調しており、ユーザーの好奇心を高めるために、クリック率を高く保つことが出来ます。
得られる報酬とリスクの認識

また、ユーザーは即時の報酬に対して強い魅力を感じます。
特定のアクション(例: ニュースレター登録)に対して割引やプロモーションコードを提供するポップアップは、この心理的なメカニズムを利用しています。
一方で、ユーザーは不確実性やリスクを避ける傾向があります。効果的なポップアップは、クリックすることのリスクを明確に低減させる情報(例: 「いつでも解約可能」「プライバシー保護」など)を提供することでユーザーの不安を和らげ、クリックへのハードルを下げます。
効果が出ないポップアップ なぜ無視される?
インターネットの普及と共に、日々膨大な情報に触れる現代。この情報過多とも言える時代、ポップアップは時としてユーザーのサイト閲覧等の邪魔となることがあります。
あるポップアップは注目を集める一方、無視され続けるポップアップがあるのはなぜでしょうか。
”背景の一部”と化してしまうポップアップ
現代人はスマートフォンやSNSの登場、24時間体制のニュースチャンネルなどにより、常に新しい情報に取り囲まれている状況にあります。このような状況下では新たなポップアップが表示されたとしても、それが重要な情報であると感じることは難しくなってきてしまいます。
人間の注意力には限界があり、多くの情報や広告、通知に囲まれる中、ユーザーが最も関心を持つ情報だけを選び取るようになるのは自然のなりゆきでしょう。
この選択の過程で、多くのポップアップは単に背景の一部として認識され、無視されてしまう傾向があります。その他、ポップアップブロッカーも普及してきており、マーケティングを行う人にとってはユーザーのセルフディフェンスが新たな挑戦になっています。

ポップアップを効果的に活用するコツ
ウェブサイトやアプリのデザインは、ユーザーの行動や意思決定に大きな影響を与えます。
同じくポップアップのデザインもその効果を最大限に引き出すための重要な要素となっています。ポップアップデザインにおける心理的トリガーと、その効果的な活用方法についてご紹介します。
1.色彩が人間心理に与える影響を考慮する

ポップアップの色選びは、ユーザーの感情や行動を導くための強力なツールとなり得る要素です。
ポップアップで表現する色には、それぞれ特定の感情や印象を持たせる力があります。例えば、赤は緊急や興奮を示す一方で、青は信頼や安定を意味します。
また色の選択は、ユーザーがポップアップの内容に興味を持ち、アクションを起こす確率にも影響を及ぼします。明るい色やコントラストの強い色を使用することで、ユーザーの注意を引き付けることができます。これにより、コンバージョン率にポジティブな影響を与える事が可能です。
2.情報の優先度・視覚的ヒエラルキーを意識する

ポップアップ上における視覚的ヒエラルキーとは、デザインの中で情報の優先度を示す方法です。
大きなタイトルや伝えるべき重要な情報はフォントを工夫し、目立つ位置に配置。それに続く情報は次の優先度として配置していきます。これにより、ユーザーの視線を意図的に導くことができます。
加えてCall to Action (CTA) は、ユーザーにアクションを促すための要素です。視覚的ヒエラルキーを利用して、このCTAを適切な位置に配置することで、ユーザーがそれをクリックする確率を高めることができます。
3.ポップアップのトリガーを活用する

ポップアップの最大の課題は、ユーザーがそれを「邪魔」と感じてしまうことです。
しかし、ユーザーの心理を理解し、ニーズや関心に合わせてポップアップを表示することで、その受け入れ度を高めることができます。
例えばユーザーがサイトを訪れた直後や読み込み中にポップアップを表示すると、煩わしいものとして受け取られることが多い傾向にあります。一方、コンテンツを一定時間読んだ後や、ページの特定の位置に到達した時点での表示は、ユーザーの関心やニーズに合致する可能性が高くなります。
トリガー設定では、サイト滞在時間やスクロール深度、サイト離脱をきっかけとしてポップアップを表示させることが可能です。
4.ポップアップの表示ルールを設定する

ポップアップが頻繁に表示されると、ユーザーはそれを無視する傾向が強まります。
したがって、特定のユーザーに対して、1日に1回だけ、または一定の期間が経過した後にのみポップアップを表示するといったルールを設定することが重要です。
また、ユーザーがポップアップの内容にすでに応じた場合、それを再度表示しないようにすることで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、コンバージョンに近づける事ができます。
5.インタラクティブなポップアップを活用する

ユーザーとの双方向のやり取りを取り入れたインタラクティブなポップアップは、クリック率やエンゲージメント向上に効果的です。
例えばクーポンルーレットのポップアップ、「はい/いいえ」で答える簡単な質問や、ミニ診断、選択式のアンケートなどを表示することで、ユーザーは自然と画面に注目し、行動を起こしやすくなります。ただ情報を一方的に提示するのではなく、参加させる工夫がCVR向上のポイントになります。
6.ユーザー行動に基づいてポップアップを表示する

ユーザーの行動履歴や閲覧状況に応じてポップアップを出し分けることで、より関連性の高いメッセージを届けることができます。
カートに商品を入れたまま離脱しようとするユーザーに対しては、限定クーポンの提示が効果的です。また、初回訪問とリピーターで内容を変えるなど、シナリオに応じた出し分けを行うことで、押しつけ感のない自然なポップアップが実現し、CVRの向上にもつながります。


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ポップアップを見直して成果を高める
インターネット上であらゆる目的で活用されているポップアップですが、ただ単にサイト内広告として表示されているだけではありません。その背後にはユーザーの深層心理に働きかける工夫がなされています。
デザインはもちろん、色彩や文言、設計、表示するタイミングやルールなど、ポップアップにはさまざまな要素が関連しています。これらを加味した上で成果を高めるにはユーザーの目線に立ち、サイト設計やユーザーの心理と動線に合わせて配置するのが得策と言えるでしょう。これらポップアップに関わる見えない要素を理解し、成果を向上させましょう。