重要度が高まる
「Web接客」
店舗や企業がコンバージョンを向上させるにあたり、ポップアップ等で「Web接客」を行い、顧客との接点を持つことは非常に重要なポイントです。
近年はECサイトの市場規模の拡大によりWeb上で顧客と接点を持つ機会も増えており、実際の接客さながらに顧客のニーズやタイミングに合わせた接客を可能にする「Web接客ツール」が進化を遂げています。
この記事では「Web接客」とは何か、また「Web接客」の2つの接客の種類とメリットについて、選ぶべきポップアップツールの特徴や、ポップアップによる接客7つの事例についてご紹介します。
Table of Contents
「Web接客」とは?
「Web接客」とは、その名称通り”Web上で行う接客”のことを言います。
例えば実店舗では訪れた顧客に対し、店員が顧客が何を求めているのかを知り、最適な提案を行うことは”CVR(コンバージョン率)”を高めるための基礎的なフローです。
一方、顧客の動向やニーズを汲み取ることができない従来のようなWebサイトでは顧客に合わせた接客が難しく、結果としてユーザーのサイト離脱率やカゴ落ち率が高くなるという傾向があります。
しかしながら、Webサイトに訪れた顧客に対して気遣いの利いたサービスの案内や割引クーポン提示、プレゼント企画等をタイミングよく提案できれば、ユーザーは離脱を留まり、接客しないよりも遥かに高い確率でCVR向上や顧客満足度の向上が見込むことができます。
Web接客ツールでは接客のほか、ユーザーのニーズや動向データを取得することができます。これにより、顧客ごとに合わせたマーケティング施策とサイト構築が可能です。
「Web接客」2つの種類
「Web接客」には、チャットシステムを通して直接ユーザーと言葉によるやりとりを行う「チャット型」と、ブラウザの最前面に飛び出すように別ウィンドウが現れ、ユーザーに提案を行う「ポップアップ型」の2種類があります。
チャット型のWeb接客
チャット型のWeb接客では、チャット上のやりとりによって顧客が抱える疑問にリアルタイムで丁寧に回答を行い、その場で問題を解決することが可能です。
例えば画面端の小さなウインドウに商品やサービスに関するQ&Aを提示し、それでも問題が解決しない場合、ユーザーはチャットで相談を行う事ができます。サイト運営側では顧客との過去のチャットデータも参照することができ、顧客の抱えるモヤモヤを早い段階で解決。顧客満足度の向上へと繋げられます。
チャットによるWeb接客を行うにあたってはスタッフが待機しておく必要がありますが、実際の店舗に近い形で課題解決が行えます。
ポップアップ型のWeb接客
ポップアップ型のWeb接客では、Webサイトに訪れる顧客の動向に合わせてポップアップ表示によるタイムリーな接客が行えます。
例えば顧客がトップページに訪問してから10秒ほどで割引特典・送料無料キャンペーンを提示する、またはサイトから離れようとする顧客にプレゼントキャンペーンをお知らせする、その他顧客の購入履歴からより上位の商品購入を検討してもらう(アップセル)、関連商品の購入を検討してもらう(クロスセル)など、設定したシナリオに沿ったマーケティング施策の実施と、顧客への提案やアプローチが可能となっています。
なおポップアップ型のWeb接客では、成果を得るのための適切なポップアップ戦略と、計画的な運用が必要になります。
ポップアップによる「Web接客」のメリット
運営サイトに訪れる全ての人にアプローチが可能なポップアップによる「Web接客」。ここでは、ポップアップ型のWeb接客ならではのメリットについて解説します。
CVR(コンバージョン率)の向上
世界中のどこからでもアクセスが可能なオンラインショップには、日々数多くのユーザーが訪れます。
Web上での接客にポップアップを活用すれば、すべてのユーザーにキャンペーンやお得な情報、必要事項等を漏らすことなく伝えることができます。結果としてコンバージョンへの導線は整い、CVR向上が見込めます。
接客に掛かる時間と労力を省く
Web接客でチャット型とポップアップ型を比較した場合、チャット型は問い合わせの有無に関わらず人員が常時待機していなければならず、時間や労力、人件費が掛かります。またチャットでの問い合わせはユーザーからのアクションとなるため、マーケティングという意味においてアクティブなアプローチは難しいでしょう。
その点、ポップアップ型は基本的にアクティブな形でユーザーにアプローチが可能です。またリソースを必要とせず、休日・深夜を問わず常時訪問者への接客を行うことができ、接客に掛かる時間と労力を省くことができます。
平均注文金額(AOV)の上乗せが見込める
ECサイトのチャットサービスを利用し、新商品の提案や買い合わせの提案を受けたことがあるという人はごく少ないのではないでしょうか。チャット型のWeb接客は目的も違うため、アップセル・クロスセルといった買い合わせ施策の実施は効率も悪く、まず難しいと考えてよいでしょう。
一方ポップアップ型のWeb接客では、顧客がカゴやカートに入れた商品から関連商品を提案したり、また買い合わせの提案として上位商品の検討を提案でき、平均注文金額(AOV)の上乗せが見込めます。
ユーザーのかご落ち・サイト離脱防止策として活用できる
ECサイトをはじめ、その他のWebサイトでも対応が急がれるユーザーのサイト離脱やカゴ落ち離脱。ユーザーがサイトを離脱するタイミングには一定の傾向があり、これを把握できればポップアップによるWeb接客で対策することができます。
ユーザーが運営サイトを離れるタイミングで送料無料キャンペーンや新規会員特典などを提示し、ユーザーにとってそのサイトを利用する利点をタイミング良くアピールできれば、カゴ落ちやサイト離脱の防止策として活用できます。
「Web接客」ポップアップツールの導入で押さえるべきポイント
企業サイトやECサイトのWeb接客においてさまざまなメリットをもたらすポップアップですが、導入に想定外のコストが掛かってしまったり、手間が掛かって使いづらい、またサイトに合わせてカスタマイズできないツールを選んでしまえば本末転倒です。
ポップアップ型のWeb接客ツール導入で押さえるべきポイントを以下にご紹介します。
視覚に訴えかけるデザイン性の高さ
ポップアップの最大の特徴のひとつは、”ユーザーの視覚”に訴えかけるという点です。画面上に現れるポップアップはサイト閲覧の邪魔をするで簡素で面白みのないものよりも、デザイン性の高く、それでいてサイトデザインを邪魔しないものほど有用です。
いつでもクオリティが高く美しいポップアップを作成・運用できるように、デザインのバリエーションが多いポップアップツールを導入しましょう。
運営サイトに合わせてカスタマイズできる自由度の高さ
視覚からユーザーに訴えかけるポップアップですが、ポップアップに使用するフォントや埋め込む画像、また出現位置やタイミング、ボタンや入力欄の有無などを細かく自由にカスタマイズできれば、よりサイトデザインにマッチしたポップアップや、シーズンごとのイベントポップアップ等の作成が可能です。
カスタマイズの自由度の高さもポップアップ導入のポイントとして押さえておきましょう。
ポップアップの導入・作成・利用が簡単
本来はサイト運営やマーケティング施策にリソースを割くことが大切なのにもかかわらず、ポップアップの作成に時間や労力を費やしてしまうのは勿体ないと言わざるお得ません。導入・作成が簡単で、利用にも時間が掛からない点も、ポップアップツール導入に欲しい要素のひとつです。
英語(多言語)にも対応している
ECサイト運営では海外のマーケットも視野に入れ、幅広い層のユーザーを獲得したいと考える人も少なくはないでしょう。また今は日本国内をターゲットにしていても、後に海外進出も視野に入れるのであれば、やはり言語は大きな壁として立ちはだかる可能性が高いと言えます。
英語や多言語に対応したポップアップツールならば、その壁を難なく乗り越えて海外マーケットでのWeb接客とアプローチができるようになります。
ポップアップによる「Web接客」7つの事例
ポップアップ型のWeb接客では、色々な形で既存顧客・新規顧客へのアプローチが可能です。以下にポップアップ型のWeb接客の事例をご紹介します。
1. ゲーム性を取り入れたWeb接客
https://jewelscent.com
既存顧客や新規顧客のサイト訪問の際に、誰もが試したくなるゲーム性の高いポップアップでWeb接客を行うのは有効です。JEWELSCENTでは、訪問後すぐに多くの人に親しみがあるスクラッチくじのデザインのポップアップを表示。前もって割引特典を提示することで、ユーザーの購買意欲を引き立てます。
2. Web接客でカゴ落ち・離脱防止
https://www.frankandoak.com/
ごくシンプルで分かりやすいポップアップデザインの活用も、Web接客で考慮したいポイントです。オンラインアパレルショップのFrank and Oakでは、メールアドレス登録と購入する商品の種類を選ぶだけで25%割引が受けられる特典を用意。
またカーソルが画面上部に移動すると、「Don’t leave just yet!(まだ帰らないで)」というメッセージと共に割引クーポンコードと返品無料・送料無料の特典もアピール。ユーザーのサイト離脱防止策も取られています。
3. Web接客で無料キャリアカウンセリングを提示
https://www.upgrad.com/
さまざまな大学と提携し、オンラインによる資格取得や学習を提案するupGradでは、ユーザーに向けて最初の特典としてキャリアカウンセリングを提示。無料で受けられるキャリアカウンセリングによって、ユーザーが自分が受けるべきコースや授業を明確にすることができます。
4. Web接客・アップセルでAOV向上
https://speedo.com
イギリスを拠点に水泳用水着やグッズを販売するSpeedoでは、商品購入時にクロスセル施策として関連商品をポップアップでお知らせしてくれます。追加で関連商品を購入しようと考えているユーザーはもちろん、今後購入を予定している商品があれば、ユーザーは合わせて目的の商品を購入することができます。
また同様にアップセル施策としても、ポップアップによるWeb接客が可能です。
5. Web接客で初回オーダー割引を提案
https://atlantaluxurybags.com
サイト訪問後、Atlanta Luxuary Bagsが提案するのは、新しい会員メンバーへの100ドル割引オファーです。最初のオーダーでおよそ1万円の割引は、ユーザーにとってもメリットを感じやすいと言えます。名前と電話番号の登録で、メールでクーポンが送信されます。
またユーザーのクーポン利用に際しては、ポップアップに留意事項やサービスポリシーなどの記載が可能。明瞭な提案でユーザーの心を惹きつけましょう。
6. 商品購入を悩むユーザーを後押しするWeb接客
https://petflow.com
幅広くペット関連商品を取り扱っているPet Flowは、アカウント登録で20%のディスカウントを用意。メールアドレスとパスワードを入力し、アカウントを作ることで割引を受けられます。ただし、このポップアップは出現するタイミングが遅めに設定されいます。ページに長く滞在して商品購入に思い悩むユーザーを後押しするのに有効なWeb接客です。
7. クーポンルーレットによるWeb接客
https://firdeptcoffee.com
ゲーミフィケーション・ポップアップは顧客の注目を集めるのに有効です。Fire Dept Coffeeのトップページで遊べるクーポンルーレットでは、ユーザーはメールアドレスを登録することでルーレットを回すことができ、商品購入時に割引が受けられます。
Web接客にゲーム性・エンターテイメント性を取り入れることで、幅広い世代のユーザーの心を掴むことが可能です。
運営サイトに取り入れるWeb接客
顧客満足度を高め、CVR(コンバージョン率)を向上させる「Web接客」。
「Web接客」にはチャット型とポップアップ型があり、これらを両方兼ね備えるECサイトであれば、顧客の問題解決をサポート、行動を喚起することができ、結果へと繋げられる可能性が高まります。
またポップアップによるWeb接客でユーザーのサイト離脱・カゴ落ちを防止するにあたってはデザイン性が高く、なおかつ導入・作成・利用やカスタマイズが簡単なポップアップを選ぶのがベターと言えます。
ご紹介した事例を参考に、顧客の心を捉えるポップアップによるWeb接客を行いましょう。