【2023】ポップアップ
ツールを取り巻く動向と
活用する理由をチェック
近年ではインターネットの利用率増加やスマートフォンの普及などにより、オンラインでサービスや商品を購入する人口が世界的に見て増加傾向にあります。
ECの各分野における成長率は著しく、これに伴う形でWebサイトに訪問する顧客を誘導し、また商品やサービスを提案、ユーザーが抱える課題を解決してコンバージョンへと繋げることができるWeb接客ツールが活用されており、その中でもポップアップツールは強力なWeb接客ツールのひとつです。
誰もがサイト閲覧中に突然現れるポップアップに不快な思いをしたことがあるのは、疑いようのない事実でしょう。しかし、ポップアップは同時に大企業や大規模なWebサイトでも多く活用されており、設置することで顧客満足やコンバージョン獲得につながる効果が見込まれているというのもまた事実です。
2023年、ポップアップは取り入れるべきか?またどのように活用すべきかについてあらゆる視点からご紹介します。
ポップアップの有用性を知る 目次
ポップアップツールの遍歴と現在
過去においてポップアップはWebサイト上でランダムに一貫性なく、しかも無数に表示されるパターンが多く、また中には詐欺的な内容を表示するケースもあり、サイト訪問者に不快な思いをさせる”嫌われ者”として知られてきた歴史があります。
しかしながら近年、ポップアップは時代背景や社会的要因によるインターネットを介したサービスの利用率増加から多くのWebサイトでユーザーの課題解決やサイト内誘導を行うなど、その方向性を変えて正しく活用されており、大型ECサイトをはじめ企業サイト、個人サイトなどでも「Web接客ツール」として積極的に取り入れられるようになってきています。
ポップアップはCV獲得を後押しするパワフルなツール
また、ユーザーに簡潔に分かりやすく伝えたい事を伝えられるポップアップは、サイト運営側にとっても非常にパワフルなCTAとしての役割を果たします。以前と違い、そのポップアップの有用性は多くのケースにおいて顧客が抱える課題の解決に活用され、コンバージョン率の向上や最適化に貢献しています。
ポップアップツールが活用されている理由とは
ポップアップツールは、運営するWebサイト上で効果的なオンライン接客を可能にします。
加えてWebサイトの形態やビジネスの業態に関わらず、その使い道は多岐に渡ります。今現在、ポップアップツールが注目され、活用されている理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
オンライン需要の高まりと消費の増加
ここ最近ではオンラインを介したショッピングや授業、食事の宅配等が浸透していることから、オンライン需要の高まりを体感しているという人も多いでしょう。また、ネットを通じた商品購入では時間や場所、ECサイトの規模に関わらず、消費者は購入したいものを購入したい時に手に入れられる環境が整っています。
総務省によると、オンラインショッピングの需要は2020年3月以降に増加。個人が企画・生産した商品やサービスを直接消費者へと提供するD2C(Direct to Customer)の動きも活発化し、産業構造そのものが変化していると締めくくっています。
さらにアメリカや中国などの海外先進国においてもさらに大きな規模で同様の流れが見られます。ポップアップツールを使ったオンライン接客の需要は、国内外を問わず世界で増加傾向にあると考えられ、これがポップアップツールが活用される理由のひとつと言えるでしょう。
カスタマーエクスペリエンス(CX体験)の向上
カスタマーエクスペリエンス(CX体験)とは、顧客が商品に関する一連のサービスを通して得られる心理的価値のことを意味しています。良質なCX体験はカスタマーロイヤルティ(商品やサービスに対する愛着)を生み出し、長期的な収益の獲得へと繋がります。
近年、CX体験はECサイトやその他のビジネスにおいて重視されるようになっており、これをサポートできるのがオンライン接客です。例えば取り扱う商品やサービスの特徴紹介、期間限定の商品や新商品の提案、サイト内誘導で顧客の抱える疑問を解決するなど、オンライン接客によって顧客のCX体験向上に向けてさまざまなアプローチが可能になります。
運営するサイトの構造や提供するサービス等に合わせて顧客目線でポップアップツールを活用できれば、顧客が必要としているコンバージョン獲得に対する配慮のある、かつ決定的なサポートが実現できます。近年のポップアップツール活用には、このような理由も挙げられます。
インサイドセールスの強化
インサイドセールスは営業活動のうち、チャットやメール等を介して非対面で行う営業活動のことを指します。感染症の拡大以降、インサイドセールスは非対面であることはもちろん営業コストの削減などの観点から、その重視性が認識されています。
インサイドセールスの強化においても、ポップアップツールは有用です。事前の新商品の販売や送料無料、割引等のお得なキャンペーンを訴求するにあたり、ポップアップ上にメールアドレスやユーザー情報の入力フォームを設置。エントリーするユーザーをリード(見込み客)として獲得でき、またこれら顧客のセグメンテーションして一元管理、そして定期的で戦略的なメールによる顧客へのアプローチを可能にします。
加えてブログサイトなら読者やファン獲得、メールマガジンの登録促進。情報商材などを取り扱う場合は資料ダウンロードの訴求など、アイデア次第で数多くの活用が可能になります。これもまたポップアップツールの需要が増していると思われる理由です。
マーケティングオートメーション(MA)による効率化
マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動の自動化・効率化を意味し、ユーザーへ告知やアプローチから顧客の獲得、コンバージョンへのサポートを行えるポップアップツールは、MAツールの一種に数えられます。
マーケティングにおいて顧客がコンバージョンへと至る動線は、「認知や興味→理解→検討→購入」という漏斗(じょうご)のような道筋を辿り、これをセールスファネル(Sales Funnel)またはパーチェスファネル(Purchase Funnel)と呼んでいます。
BtoBやBtoCにおいて、ポップアップツールによるオンライン接客を活用したマーケティングオートメーションは、セールスファネルの各段階をより強化することを可能にします。ポップアップツールを活用したマーケティングの自動化・効率化が、コンバージョン率や収益の長期的な安定に貢献します。
ABテストによるコンバージョン率の最適化
ABテストは、異なった複数のアイデアから最も結果の優れたアイデアを選定する優れたテストです。このテストを繰り返すことでより結果の優れたアイデアを選りすぐることができ、マーケティングにおいてコンバージョン率の安定化・最適化を図ることが可能になります。
ポップアップツールはABテストを実施するにあたり、最も優れたプラットフォームになります。その理由として、例えばサイト上で行うABテストの場合は、サイト構造に組み込まれ、それ自体を乱してしまう恐れがあります。一方、サイト構造の上に置かれるポップアップツールであればこのようなリスクを避けることができ、運営サイト上のCTAや画像、文言などについての効果を測定・分析することができます。
また分析による顧客のニーズ把握をはじめ、オンラインビジネスやサイト運営の根本的な部分をカバーできる点は、ポップアップが活用される主要な理由となるでしょう。
優れたABテストを実施。活用の幅はリアルビジネスにも
それだけではありません。ポップアップツールで実施するABテストは抱える顧客のニーズ把握に役立つだけではなく、実際に商品やサービスを販売する際にどの画像や文言、特徴や機能がユーザーに刺さるのかを検証することができます。テスト結果を実際の商品開発などに反映し、リアルビジネスの場においても活用する事が可能です。
【2023】オンラインビジネスの傾向から見る
ポップアップの活用
オンラインを介したマーケティング、その他の目的においてコンバージョン獲得に貢献できるポップアップ。
ここではさらに最近のオンラインマーケティングを取り巻く傾向を確認し、ポップアップの有用性、またどのようにポップアップツールを活用できるかについて見て行きましょう。
国内外のオンラインビジネスにおける傾向や動向
年々その経済規模を増しているECビジネス。世界のマーケットや消費者のデータ、そしてビジネスへの洞察を提供しているStatistaによれば、世界におけるECビジネスのセールスは2021年に約4.9兆ドル(約130兆円)に到達。2025年までにはさらに倍近い規模での成長が予測されています。
また経済産業省の調べによると、国内のBtoB BtoCを含めた電子商取引の経済規模は、2021年には20兆6,950億円までに成長を見せています。傾向としては特に物販・デジタル分野での成長が著しく、今後は世界の動向ど同じく、日本でもオンラインビジネスの拡大の傾向が見込まれそうです。
サイトに集まる多くのトラフィックの中で、ユーザーが求めるコンバージョンというゴールへ導くにあたっては、サイト上の接客員となってくれるポップアップがあればより心強いと言えるのではないでしょうか。
越境ECに注目が集まっている
越境ECとは、国境を越えて行われるオンラインでの商取引のことを言い、現在この越境ECに注目が集まっています。
長い距離を超えて外国へ手軽に商品を注文できる越境ECは、販路の拡大に大きなインパクトを与えます。また、世界規模でのスマートフォンの普及とこれを介した購入率の高まりも後押しし、アメリカ・中国・日本といった先進国で普及が進んでいます。
facts&factorsによれば、世界の越境EC市場規模(BtoC)は2021年には約7800億ドル(約13兆円)に到達。さらに2026年には4兆8200億ドル(約521兆円)に達すると予想されています。
大きな経済規模の成長が予測されている越境ECですが、多言語対応のポップアップによるWeb接客は、越境ECでもユーザーの離脱防止やカゴ落ち防止、コンバージョン獲得をサポートします。
年間セールイベントの増加
これら莫大なオンラインビジネスにおける収益と経済成長を支える一端に、年間セールイベントがあります。
過去に比べてその数を増している年間セールイベントですが、クリスマスやハロウィンと言った大型セールイベントに加えて、お馴染みのバレンタインデーやホワイトデー。さらに近年国内でも知られるようになってきたブラックフライデーやサイバーマンデー。季節ごとのセールなども含め、近年はユーザーに商品やサービスを知ってもらい、商品を購入してもらえるチャンスが増えています。
セール時期にポップアップツールを活用し、最大限にプロモーションを行うことで、コンバージョンや収益の最大化を狙うことが可能となっています。
ポップアップツールの導入で考慮する
2つのパターン 【業者一任型とDIY型】
2023年も利用する価値があるであろうポップアップツール。導入するにあたっては、まず最初に
- 専門業者にポップアップ作成から運用までを一任する
- DIYで自作のポップアップを作成し、運用から最適化までを自ら行う
という大きく分けて2つのツールの選択肢があります。結果を得るという意味においてはどちらも検討する価値がありますが、当然ながらどちらにもメリットやデメリットがあります。
専門業者・DIYそれぞれのメリット・デメリット
専門業者がサービスを行うポップアップツールは全てお任せで運用できるというメリットがある反面、面倒な打ち合わせに対応しなければならない点、意識のすり合わせやコスト面での難しさ、何より自社が抱える独自の顧客ニーズを把握するのが難しく、ポップアップ運用や最適化に関する知識が得られない限り多額のコストを掛けてお任せし続ける必要性が出てきます。
一方、すべてをDIYで作成できるポップアップツールは自由度が圧倒的に高く、コストを抑えられるため0円スタートなどのスモールスタートが可能です。社内でポップアップデザインの作成から運用、最適化まで一連の作業をマネジメントでき、面倒な打ち合わせを必要とせず、コストを大幅に抑えて顧客のニーズを肌感で捉える事が可能になります。
その反面としてポップアップ運用や最適化について自ら知り行う必要性がありますが、マーケティングを行う上で、またビジネスを進める上で非常に有用な知識を得ることを可能にします。
【2023】ポップアップツールを活用する
上記から2023年、ポップアップツールを活用するかどうかを判断するにあたり、ポップアップ活用がオンラインビジネスに与えるインパクトとしての主な要素をまとめてご紹介します。
ポップアップ活用がビジネスにもたらすインパクト【内的な要素】
- カスタマーエクスペリエンス(CX体験)の向上
- インサイドセールスの効率化
- マーケティングオートメーション(MA) マーケティングの自動化と効率化
ポップアップ活用がビジネスにもたらすインパクト【外的な要素】
- Web接客を通したコンバージョン率の向上
- ユーザーの離脱防止やカゴ落ちの防止
- フォームによるメールリスト構築と顧客の育成
- ABテストによるコンバージョン率の最適化
- ABテストの結果をリアルなビジネスの場に応用する
- メールリストの構築と活用によるリピートユーザーの獲得
- QRコードを利用したSNSフォロアー獲得促進
- カウントダウンやゲーミフィケーション効果を利用した販売促進
- アップセルやクロスセルによる平均注文金額(AOV)の向上
- 資料ダウンロードの促進
- サイト内におけるユーザーの動線づくりや誘導
- 越境ECでの現地語による案内やセールス etc
ポップアップは言わば強制的に画面に表示できる元々パワフルなツールなのですが、その力を誤用した結果、ユーザーを不快にさせることに繋がっていたと言えるのかもしれません。
現在でもポップアップには賛否両論あるものの、ユーザー目線に立って必要なサポートが行えるタイミングで表示することによって、サイト閲覧を邪魔せず不快さを解消できます。さらにその機能によって顧客の課題を解決へと導き、顧客が求めるコンバージョンへと繋げることを可能にします。
オンラインビジネスにおける経済規模の拡大は、各データを参考にしてみると、すぐそこに迫ってきている印象があります。2023年、ポップアップツールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。